私は今年35歳で、新卒デザイナーの教育を担当しつつ部長の元で働くポジションにいます。そんな中、新卒デザイナーとの接し方が難しいと感じることがありました。
今回は、その具体的な事例を元に1つの記事にまとめました。
現代社会では、様々なハラスメントが問題視されていますが、新卒デザイナーとのコミュニケーションは特に注意が必要です。この記事を通じて、私と同じような立場の方々に共感してもらえると嬉しいです。
みなさんも新卒デザイナーや若いデザイナーと接するときに苦労しませんか?
新卒デザイナーとの初対面の難しさ
新卒デザイナーとの初対面は、彼らのキャリアのスタートを支える重要な瞬間です。
しかし、ここでのコミュニケーションには独特の難しさが伴います。最初の印象は今後の関係に大きな影響を与えるため、慎重に対応する必要があります。
まず、新卒デザイナーは多くの場合、理想と現実のギャップに直面します。
大学やデザイン専門学校で学んだ理論やスキルと、実際の業務で求められるものとの間には違いがあり、戸惑いを感じることが少なくありません。このギャップを埋めるために、初対面では彼らの不安を軽減し、安心感を与えることが求められます。
デザイン専門学校で学んでたデザインのスキルはほぼ役に立たないことがほとんどです。実際の現場だと、こんなに違う!?とかなり最初は戸惑います。
また、新卒デザイナーの多くは、初めての職場での人間関係に緊張しています。
先輩や上司との関係をどのように築くか、不安に感じていることが多いです。ここでのポイントは、フレンドリーでオープンな態度を示し、質問や意見を受け入れる姿勢を見せることです。
例えば、自己紹介の場では、自分のキャリアや役割を簡単に説明し、彼らに対して「質問があれば何でも聞いてください!いつでも大丈夫です!」と促すことで、コミュニケーションのハードルを下げることができます。
また、彼らの自己紹介を丁寧に聞き、興味や関心を示すことで、相互理解を深めることができます。
リモートワークの場合、声を掛けづらいということがあるので1on1の時間を多めに設定してケアをこまめにするのがポイントです!
さらに、初対面の際には、具体的な業務内容や期待することを明確に伝えることも重要です。
漠然とした指示ではなく、具体的な目標や達成すべきタスクを示すことで、新卒デザイナーは自分の役割を理解しやすくなります。
最後に、初対面では柔軟性を持って接することが大切です。新卒デザイナーが緊張している場合は、リラックスできる環境を作り、少しでも早く職場に馴染めるよう配慮しましょう。
彼らの初日の印象は、その後のパフォーマンスやモチベーションに大きく影響します。
初対面の難しさを乗り越えることで、新卒デザイナーとの良好な関係を築き、彼らが安心して成長できる環境を提供することができるのです。
新卒デザイナーへの教育の難しさ
新卒デザイナーは、基本的なデザインスキルを習得している一方で、実務で必要とされるスキルとの間にギャップがあります。
私も実際にそうでしたが、専門学校卒業する頃は「なんかデザイナーとしてできてるかも」という感覚があります。ですが、実際には実務では全然です。
新卒デザイナーと接する時に平成なら「ださい!」「やり直してこい!」「出直してこい!」が先輩の指摘でしたが、今は令和です。
何がだめか、優しく教育する必要があります。
デザインの指摘が難しい
デザインの指摘は非常に加減が難しいものです。新卒デザイナーに対して、以下のような問題がよく見られます。
- フォントを多用しすぎる
- 色を使いすぎる
- 枠や線が多すぎる
- レイアウトが雑でごちゃごちゃしている
これらは実務経験がない新卒デザイナーにとって、当たり前の課題です。彼らは、デザイン依頼を受けても、うまく整理できずに結果的にごちゃごちゃしたデザインになりがちです。
このような場合にデザインの指摘をする際、以下のようなジレンマに直面します。
- 明確な答えを教えるべきか
- 答えに導いていくべきか
実務の現場では、案件の納期が厳しく設定されており、いつまでも待つことはできません。常に納期に追われる中で、板挟みになることが多いです。
例えば、「ここをもうちょっとすっきりさせてみたらどうかな?」といった優しい導き方で理解してもらえるのが理想です。しかし、理解してもらえない場合、何度も差し戻しが発生してしまいます。
お互いにストレスを感じる中で、はっきりとした答えを示すべきかどうか悩むことがよくあります。納期とクオリティのバランスを取るために、適切な指摘方法を見つけることが重要です。
意味のないデザインをさせないようにする
新卒デザイナーあるあるなのが、意味のないデザインです。
謎のイラストや無駄に多い線、コンテンツごとに区切られる枠、それってそもそも意味ある?というデザインはさせないようにします。
要素が多く、すっきりしてないデザインになっていたら「これって意図があって入れてますか?」と質問するようにしています。
本心では「なんだこれ…いらないでしょ。」と思っていても、デザインの意図を詳しく聞くことで本人の発見にもつながるようにしています。
「確かに、これって言われてみれば要らないかも」そういう発見のために質問を多くしています。
デザインをどこまで突き詰めさせるべきか難しい
私の時代は…そう言い出すともうなにかのハラスメントになります。
しかし、私は教育という教育は正直してもらったことがなく「こんなデザインはだめだ!出直してこい!!」を何度も繰り返してデザインを突きつめていくというのが20代の時間ほとんどでした。
ひどいときは大晦日に深夜2時までデザインを必死にやってダメ出しされて、気付いたらお正月だったくらいです。
ですが、今の時代はそんな根性論よりも効率重視ですよね。
だから、私もどこまでデザインと向き合って突き詰めてもらうかを悩みます。どこまでデザインを突き詰めてもらうべきなんでしょうか。
新卒デザイナーのモチベーションの維持と向上
新卒デザイナーのモチベーションを維持し、向上させるための方法について考えます。彼らが成長を実感できる環境を作ることが重要です。
新卒デザイナーのモチベーションの維持は非常に大変です。
成長を実感させる環境づくり
新卒デザイナーが自身の成長を実感できる環境を整えることが大切です。具体的には、以下のような取り組みが効果的です。
- フィードバックの頻度と質: 定期的なフィードバックを行い、彼らの進捗を認めるとともに改善点を明確に伝えます。ポジティブなフィードバックを交えることで、モチベーションを高めることができます。
- 達成感を感じさせるタスク: 初心者にも達成感を感じられるような小さなタスクを与え、成功体験を積ませます。これにより、自信を持って次の課題に取り組む意欲が高まります。
目標設定とフォローアップ
新卒デザイナーにとって明確な目標設定は、モチベーションを高めるための重要な要素です。
- SMART目標の設定: 具体的で測定可能、達成可能、関連性があり、期限が設定された目標を一緒に設定します。これにより、進捗を測定しやすくなり、達成感を得やすくなります。
- 定期的なフォローアップ: 目標に対する進捗を定期的に確認し、必要に応じて調整や支援を行います。これにより、目標達成に向けたモチベーションを維持できます。
研修とスキルアップの機会提供
新卒デザイナーのスキルアップを支援するために、継続的な学習の機会を提供することが重要です。
- 社内研修の実施: デザインの基礎から応用までをカバーする社内研修を定期的に実施します。外部の講師を招いたセミナーやワークショップも有効です。
- オンライン学習の推奨: オンラインコースやウェビナーなどを通じて、自主的にスキルを磨く機会を提供します。
ポジティブな職場環境の構築
最後に、ポジティブな職場環境を作ることが、新卒デザイナーのモチベーションに大きく影響します。
- オープンなコミュニケーション: いつでも意見やアイデアを共有できるオープンなコミュニケーション環境を整えます。
- チームビルディング活動: 定期的なチームビルディング活動を通じて、チームの絆を深め、働きやすい職場を作ります。
新卒デザイナーのモチベーションを維持し向上させるためには、彼らの成長をサポートし、明確な目標を設定し、学習機会を提供することが不可欠です。
これにより、彼らは自信を持って業務に取り組み、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与するでしょう。
まとめと私の経験から学んだこと
大切なのは自分の時代、自分の苦労した経験をそのまま押し付けないことです。
私の時代はこうだったから…と話してプレッシャーをかけるようなことにもなってしまってはしょうがないので、気持ちをぐっとこらえて我慢です。
ポジティブな環境を作り、モチベーション向上できるような取り組みをしていかに新卒デザイナーが成長し、力を発揮してもらうかを考える必要があります。
時代に逆行せずに時代に合わせた生き方、接し方でいきたいですね。
それでは!ずぼらなオッターでした!よかったらX(旧Twitter)のフォロー(@Otter_zubora)お願いします!